【リモートワーカーの必須スキル】テキストコミュニケーションで信頼関係を築くコツ

リモートワークでは、対面でのやり取りが減るため、チャットやメールなど「テキスト」でのやり取りが重要な役割を果たします。
しかし、文章だけで自分の考えや思い、情報をわかりやすく、正確に伝えるのは簡単ではありません。
特に、相手に誤解を与えないように丁寧に配慮したり、テキストを通して「この人は信用・信頼できる」と感じてもらうためには、相応の工夫や心がけが必要です。
この記事では、テキストコミュニケーションで信頼を築くためのポイントをお伝えします。
フリーランス・副業などのライターはもちろん、リモートワーカーとして活動したい皆さんに役立つ内容です。
\学習・キャリアの悩みを現役ライター講師に相談!/
なぜテキストコミュニケーションが重要なの?
リモートワークでは、メールやチャットなどのテキストを使ったコミュニケーションが主流です。
それらは、場所・時間を問わず連絡ができる便利さがあるものの、対面とは異なる特有の難しさもあります。
まずは、テキストコミュニケーションの特徴と、うまく活用するためのポイントを具体例を交えて解説します。
リモート環境では、対面よりも「伝わりづらい」
リモート環境でのテキストコミュニケーションでは、対面コミュニケーションのように「表情」や「声色」といった非言語的な手段を使えません。そのため、文章だけで自分の意図や思いを正確に伝える必要があります。
たとえば、「お願いします。」という一言も、テキストの場合、背景や状況によっては冷たく感じられたり、具体的な指示が不足していると解釈されたりすることがあります。
文章の書き方ひとつで、相手から「信頼できる」「丁寧な人」と思われるか、逆に「曖昧で不親切」と受け取られるかが変わってしまうこと。それが、テキストコミュニケーションの難しさのひとつです。
曖昧な表現や適切でない言葉遣いは、後々のトラブルや誤解の原因にもなりかねません。「顔を合わせない」やりとりだからこそ、より正確で誠実なコミュニケーションを心がけることが重要です。
曖昧な表現はミスコミュニケーションを起こしやすい
リモート環境では、文章だけでやり取りすることが多いため、わかりにくい表現はミスコミュニケーションの原因になりやすいです。
特に、「何を」「いつまでに」「どのように」してほしいのかが明確でないと、相手が誤解したり、不必要なやり取りが発生してしまいます。
たとえば、次のケースを見てください。
<曖昧な表現が原因で起こりうるミスコミュニケーション>
失敗例:
「確認よろしくお願いします。」
→ 相手は何を確認すればよいのか具体的にわからず、手戻りや二度手間が発生する可能性がある。
改善例:
「Aプロジェクトの資料(添付ファイル)を確認し、フィードバックをお願いします。」
→ 具体的な対象や依頼内容が明確になり、相手が迷わず行動できる。
また、曖昧な表現が続くと、相手から「この人の指示はいつもわかりにくい」と思われ、信頼を失ってしまうかもしれません。
ビジネスの場でやりとりされる文章は、相手に「どう動いてほしいか」を具体的に伝えるツールです。曖昧さを排除することがミスコミュニケーションを防ぎ、仕事の効率を格段に上げることにつながります。
ライターの仕事でありがちなテキストコミュニケーションの例
ライターの仕事では、クライアントとのやり取りが多く発生します。
その際、ちょっとした伝え方の工夫で、相手との関係性や、仕事がスムーズに進むかどうかが変わります。
たとえば、納期の延長をお願いしたい場合の、クライアントへのメッセージの送り方を見てみましょう。
意図や思いが伝わりにくい例:
「すみません、納期を延ばしてもらってもいいですか?」
→ 納期を延ばしたい理由が不明であり、自分勝手な印象を与えかねません。
改善例:
「申し訳ありませんが、取材の確認事項に少し時間がかかっているため、納期を1日延ばしていただけないでしょうか?調整が難しい場合は、最善を尽くしますのでご指示いただけると助かります。」
→ 理由を明確に伝え、さらにクライアントへの配慮も示しています。
この2つの例のように、同じ「納期延長の希望」という話を伝えるにしても、相手の立場・心情を考えた言葉選びができているか、具体的に説明しているかどうかによって、受け手の印象は大きく変わってきます。
そのため、日頃からメッセージのやりとりにも誠実さを保ち、お互いに気持ちよく仕事ができる人間関係を築いていくことが重要です。
伝わる文章を書く3つのポイント
テキストコミュニケーションにおいて「伝える」だけでなく「伝わる」文章を書くためには、いくつかの工夫が必要です。
このセクションでは、特に意識したい3つのポイントを紹介します。
1. 具体性を持たせる
「なんとなく伝えただけ」の文章では、受け手に意図が正しく伝わらないことも多く、誤解が生まれやすくなります。
曖昧にせず、具体的な情報や数字、固有名詞を入れることで、伝わる文章に近づきます。
- NG例:
「できるだけ早く初稿を提出します。」
→「できるだけ早く」とはいつのこと?抽象的で具体的な期限がわからないため、クライアントが不安に感じる可能性があります。 - 改善例:
「明日15時までに初稿を提出いたします。」
→期限を明確に伝えることで、約束を守る姿勢を見せると同時に、相手の安心感につながります。
特に、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)に関しては、明確に表現するように心がけましょう。
大事な情報をぼかさずにハッキリ伝えるクセをつけると、認識の食い違いを生むリスクを下げることができます。
2. 読み手に寄り添う
いかなるシーンでも「相手が求めている情報は何か?」「どうやって伝えれば相手が理解しやすいか?」を考えて文章を書くことが大切です。
読み手の状況や立場に寄り添った表現が、信頼関係の構築につながります。
そのためには、まずクライアントの要望や前提知識を正しく理解しましょう。そのうえで、相手の目線で文章を構成することが重要です。
例として、以下の2つの文章を見比べてみてください。それぞれ、初めて取引をするクライアントに対して送信するメッセージを想定しています。
- 伝わりにくい例:
「一般的な形式でまとめておきます。」
→ クライアントが「一般的な形式」をイメージできない場合、混乱を招き、トラブルにつながりかねません。 - 伝わりやすい例:
「初回ということで、見本として簡単なフォーマットを添付いたします。この形式で進めて問題ないかどうか、ご確認ください。」
→ 相手の状況を考えた丁寧な説明が好印象を与えます。また、きちんと確認をとることで、後から「そんなはずじゃなかった」という認識のズレも防げます。
テキストコミュニケーションでは、「(自分ではなく)相手にとってわかりやすいか?」「相手は話の内容を具体的にイメージできるか?」を意識することがポイントです。
3. 明確で簡潔な表現を心がける
伝わる文章を書くためには、 要点を絞り、簡潔に伝えることが重要です。
長すぎる文章や余計な情報は、相手にとって読みづらく、意図が伝わりにくくなってしまいます。
- 冗長な文章の例:
「ご指摘いただいた部分について、いろいろと考えた結果、やはりもう少し違う表現に変えた方がいいのかなと思い、修正をさせていただきました。」 - 簡潔な文章の例:
「ご指摘の箇所を修正しました。ご確認をお願いします。」
慣れないうちは「PREP法」などの文章の型を意識するとよいでしょう。
PREP法とは、「結論(主張)→理由→具体例→結論」の流れで文章を構成する方法です(※ここではPREP法の詳細は割愛します。気になる方は調べてみてください)。
「主張(その文章で最も伝えたいこと)」や「理由(主張に対する根拠)」をはっきりさせると、伝えたい意図が明確になり、相手に負担をかけずにメッセージを受け取ってもらいやすくなります。
最初は型を使いながら練習を重ね、まずは「シンプルで伝わりやすい文章」を書けるようにしましょう。簡潔に伝えることは、相手に余計な負担をかけず、スマートな印象を与えることができます。
ライターにとってのテキストコミュニケーションとは?
ライターの仕事は「文章を書くこと」ですが、その前提として大事にすべきことはクライアントとの円滑なコミュニケーションです。
クライアントとのコミュニケーションは、単に要件を「伝える」だけでは不十分。「意図が正確に伝わること」「相手に安心感や信頼感を与えること」が最も重要だと考えて、コミュニケーションをとるように心がけてください。
これができると、ライターとしての信頼が高まり、継続的な依頼や新しい仕事のチャンスにもつながりやすくなります。
テキストコミュニケーション力が光る具体的な場面
1. 案件の提案文
案件に応募するときや新規クライアントに提案を送る際は、どれだけ具体的に、誠実に自分の強みを伝えられるかがポイントです。
- 伝わりにくい例:
「ライティングが得意なので、ぜひご依頼ください!」 - 伝わりやすい例:
「SEO対策を意識した記事作成が得意です。これまでに●●の分野で20本以上執筆し、検索順位1位も獲得しました。クライアント様のニーズを丁寧にヒアリングし、希望に沿う記事を作成します。」
2. 納品時のメール
納品時の一言が丁寧かどうかで、クライアントからの印象は大きく変わります。
- 伝わりにくい例:
「添付します。ご確認お願いします。」 - 伝わりやすい例:
「お世話になっております。ご依頼いただいた記事を納品いたします。ご確認のほどよろしくお願いいたします。修正が必要でしたらお気軽にご指摘ください。」
3. 修正対応のやり取り
クライアントから修正依頼が来た際の対応次第で、信頼関係は深まることもあれば、逆に崩れることもあります。
- 伝わりにくい例:
「了解です。」 - 伝わりやすい例:
「ご指摘ありがとうございます。修正内容を確認いたしました。2日後に再提出させていただきますが、問題ございませんでしょうか?」
信頼関係が築けると次の仕事につながりやすくなる
このように、ライターにとってテキストコミュニケーションは、ただの情報伝達・連絡ではなく、関わる相手と信頼を築くための大事な方法です。
丁寧でわかりやすいやり取りを心がけることで、「またこの人にお願いしたい」と思ってもらえる確率は格段に上がります。逆に、曖昧で何を言いたいのかわからない表現や、相手に対する配慮のない雑なやり取りでは、大きく信頼を失いかねません。
もちろん、仕事を遂行するためには、ライターとして最低限身につけておくべき文章力は必須です。
しかし、その裏側にある「伝わる」テキストコミュニケーションまで大切にすることで、仕事の幅はさらに広がっていくでしょう。
まとめ:信頼を築く「伝わる」テキストコミュニケーションのススメ
リモートワーカーにとって「伝わる」テキストコミュニケーションは重要なスキル。
また、副業・フリーランスのライターとしては、いかにクライアントと強い信頼関係を築くことができるかが、継続的・安定的に仕事をするうえで非常に重要です。
- 具体的に伝える
曖昧な表現を避け、相手が理解しやすい言葉で具体的に伝えることで、意図のズレを防ぎましょう。 - 相手の立場に寄り添う
「自分が伝えたいこと」だけでなく、「相手が何を求めているか」を意識することで、信頼感のあるやり取りができます。 - 明確で簡潔に表現する
長すぎる文章や不要な言葉を避けましょう。要点を押さえた明確な表現を心がけることが、スムーズなコミュニケーションにつながります。
ライターとしての専門スキルを磨くだけでなく、日々のテキストコミュニケーションにも意識を向けることで、さらに一歩先へ進むことができるでしょう。
ぜひ「伝わる」コミュニケーションを意識してみてくださいね。
この記事で紹介したテキストコミュニケーションのコツは、ごく一部。また、上達のためには日々書き続け、添削を受けながら何度も繰り返し書くことが重要です。
プロリモのパーソナルライティングコースでは、一般的なライティングスキルに加え、リモートワークに必須のテキストコミュニケーションのスキルもしっかりと学べます。
「クライアントとコミュニケーションをとるのが不安」
「まだ実務に挑戦できるほどの自信がない…」
そんな不安を抱えている方でも、ご自身のスキルや経験に応じて、じっくりとスキルアップできるカリキュラムを用意しています。
また、ライターの働き方や学習方法、キャリアなどに関する不安や迷いをなんでも相談できる「個別相談会」も実施中です。
受講を迷っている方や、話を聞いてみたいだけの方も大歓迎。ぜひお気軽にご参加ください!
\学習・キャリアの悩みを現役ライター講師に相談!/